転職後はとりあえず1年続けるべき?短期退職のメリット・デメリット

求職者向け


一般的に短期退職は、転職する際にデメリットとなるため、とりあえず最低1年は続けるべきといわれるケースが多いです。しかし実際のところ、本当に合わないと感じた会社であっても最低1年は続けるべきなのでしょうか。

この記事では、短期退職のメリット・デメリットや、転職後とりあえず1年は仕事を続けるべきなのかといったことに、キャリアアドバイザーが現場の視点から解説していきます。

転職後にとりあえず1年続けるべきかどうか




転職後1年も経たないうちに仕事を辞めるのは、一般的に良くないイメージがあると思います。
すぐに仕事を辞めようとすると、「甘えている証拠だ」「嫌なことから逃げているだけ」「転職してもすぐ辞める」などと言われて悩んでしまうケースも珍しくありません。

一般的に短期退職に対するイメージは市場的に良くないとされていますが、実際のところはケースバイケースで、状況によっては無理に1年も続けなくてもよいです。

短期退職は市場的にはイメージが良くない




市場的な見方をすると、短期退職はあまり良いイメージを持たれません。実際に1年以内の退職を検討している方も、その良くないイメージがあるために一歩踏み出せないのではないでしょうか。
なぜ良くないイメージがあるのかというと、転職先の面接時にも「1年以内に退職する可能性が高い」と思われる可能性があるからです。

短期退職の理由にもよりますが、ほとんどの場合は前職がどのような会社だったのかということよりも、転職者本人のストレス耐性や忍耐力、対応力の低さといったところを着目されてしまいます。

このように「採用したとしてもまたすぐに辞めるのではないか」というネガティブなイメージが付きやすいため、市場的に良くないイメージがあるのです。

場合によっては無理に1年続ける必要はない


とはいえ、上記でお話したように「短期退職の理由」によっては、無理に1年以上続ける必要はありません。人によってどうしても辞めなければならない場合もありますし、これ以上続けることが難しいというケースはたくさんあります。

実際に転職後1年未満で辞める人の割合も、決して少ない数字ではありません。では、1年未満で辞めている人の割合がどれくらいなのか確認してみましょう。

転職後に1年未満で辞めている人の割合


転職者が、どれくらいの勤続期間を経て転職しているのかについて、勤続期間別の割合を表でまとめてみました。

前職の勤続期間 割合
6ヶ月未満 8.5%
6ヶ月以上1年未満 10.2%
1年以上2年未満 16.1%
2年以上5年未満 27.1%
5年以上10年未満 18.6%
10年以上 18.0%
参照元:平成27年転職者実態調査の概況|厚生労働省

これは、厚生労働省が平成27年に公表した転職者実態調査の結果です。上記の表によれば、6ヶ月以上1年未満に転職している人の割合は、全体の10.2%でした。さらに6ヶ月未満に退職している人の割合は、8.5%となっています。
つまり、数字的にみれば転職後1年未満で辞めている人の割合は18.7%となり、およそ2割の方が短期退職しているというわけです。

この数字は決して少ないものではなく、短期退職が市場的にマイナスイメージだからといって、必ずしも1年以上働き続けなければならないというわけではありません。

日本国内で1年あたりの転職者数は約300万人




日本国内において1年間のうちに転職する人の数は、約300万人といわれています。そのうち、1年未満で辞めている人の割合がおよそ2割なので、単純計算で約60万人が短期退職していることになるのです。

では、なぜこんなにも多くの人たちが1年以内に退職しているのでしょうか。次の見出しで、短期退職する主な理由についてご紹介していきます。

転職後1年未満で退職する人の主な理由は?




転職後1年未満に辞める人の割合は、およそ2割です。年間で約60万人の人が短期退職をしていることになるのですが、そもそも転職後1年未満に退職する人はどういったことが理由としてあるのでしょうか。
主な理由としては、以下のようなものがあげられます。

想像していた仕事内容ではなかった
転職先の雰囲気が合わなかった
転職先の人間関係が合わなかった
求人に掲載されていた条件と違いがあった
それぞれの転職理由について、かんたんに解説していきます。

転職理由①想像していた仕事内容ではなかった


転職していざ働き始めてから、想像していた仕事内容ではなかったという話をよく耳にします。転職を決めた理由が仕事内容だとすれば、実際の仕事内容が想像と違った場合、そのまま働き続けるのは精神的にもかなりしんどいです。

結果的に1年も持たず、短期退職を決意して転職活動を始めることになります。とはいえ、仕事の向き不向きに関しては実際に働いてみないとわからない部分もあるため、自分に向いていない仕事がわかったことを次の転職活動に活かすとよいでしょう。

転職理由②転職先の雰囲気が合わなかった




職場は人生の大半を過ごす場所ですから、会社の雰囲気が合わないとなると非常に苦労します。
会社の雰囲気や社風については、コーポレートサイトや求人情報に掲載されていることもありますが、こちらも実際に働いてみるまではわからないことも多いです。

例えば、「風通しの良い会社です」と書いてあり実際に働いてみたら、飲み会や社内イベントなどが多く、その雰囲気に馴染めないということもあるでしょう。

また「オンオフのある社風です」と書いてあり、実際に働いてみると、コミュニケーションが乏しく困ったことがあっても相談しづらい雰囲気だったということもあります。

転職理由③転職先の人間関係が合わなかった




転職先の雰囲気や社風だけでなく人間関係が合わないというのも、短期退職を決める理由の一つです。一般的な会社であれば週5日の1日8時間勤務で、場合によって残業時間などもあるでしょう。

そう考えると家族と過ごす時間よりも、職場の人と過ごす時間のほうが長いです。その職場での人間関係が合わないというのは、かなりの死活問題といえます。

場合によっては精神的ストレスにも発展しますし、長期的に働くのは辛いです。次第に身体が職場に拒否反応を起こして、短期退職せざるを得ない状況になります。

転職理由④求人に掲載されていた条件と違いがあった




求人に掲載されていた条件は自分に合った内容だったのに、実際に働いてみると求人の条件と全く違う内容だったというケースも珍しくありません。

明らかに求人に掲載されていた条件と異なる場合は、いわゆる「ブラック企業」である可能性が高いです。これは、応募者を騙して採用しようという思惑が見て取れるので、そういった会社は当然のことながら社員を大切にしないでしょう。
実際に2017年にハローワークに寄せられた、求人詐欺に関する相談件数は約1万件となっており、求人情報に騙されるケースは少なくありません。「もっと慎重に検討すればよかった」という後悔の念よりも、まずはいち早くその会社を離れるということを考えるのが大切です。

転職後1年未満に退職するメリット


転職後1年未満で退職するのは、一般的にマイナスイメージがありますが、捉え方によってはメリットもあります。では、転職後1年未満で退職するメリットとしては、どういったものがあるのでしょうか。

早い段階で自分に合った仕事が見つかる




転職後1年未満で退職するメリットとしては、早い段階で自分に合った職種へ転職することができるという点です。

やはり自分に向いていない、合っていない仕事をズルズルと続けるよりも、思い切って短期退職し新しい環境で働いたほうが自分にとって有意義ですし時間を無駄にしなくて済みます。

何でもすぐに辞めればいいというわけではありませんが、決断と行動がスピーディであればあるほど、自分の可能性や自分にマッチした仕事を見つける機会は増えるでしょう。

体調が深刻化するのを未然に防げる




人によって仕事内容や会社の雰囲気、人間関係、待遇・条件などが合わずに辞めたいと考える方もいると思います。
そういった合わない環境下で働き続けるのは、精神的にかなりの苦痛と負担を強いられます。

気がつけば、会社に行くのが嫌になってしまったり精神的に体調を悪化させたりすることにも繋がりかねません。

そういった環境で働き続けるよりも思い切って1年以内で退職することで、体調が深刻化するのを未然に防ぐことができます。

転職先でより多くの経験値を積める


例えば、入社した会社が想像していた仕事ではなく、自分が身につけたいスキルや知識を得られそうにない場合、そのまま働き続けるのはただ時間を浪費するだけになってしまいます。

それならば、1年以内に退職を決めて自分が求めるスキルや知識を身につけられる職場に転職したほうが、より多くの経験値を積むことが可能です。

転職後1年未満で退職するデメリット


ここまで、転職後1年未満で退職するメリットについてご紹介しました。しかしながら、メリットがあるものにはデメリットもあるものです。ここからは、転職後1年未満で退職するデメリットについてご紹介していきます。

転職における自信がなくなる




転職後1年未満で退職するデメリットとして、まずは「転職における自信がなくなる」という点があげられます。

「同じ職場で1年も働けないなんて……」と自分に自信を持てなくなることも珍しくありません。さらには、「転職先でもまた同じように続かなかったらどうしよう」といった不安なども湧き出てくるでしょう。

しかし人と人に相性があるように、人と会社にも相性というものがあります。今の会社が合わなくて1年以内に辞めたからといって、自分自身を責める必要はありません。
転職活動はある種の「運ゲー」要素もあり、合わない会社があるということは会う会社もあるということです。

転職エージェントの紹介を受けづらくなる




転職後あまりに短期間で退職した場合、転職エージェントの紹介を受けづらくなる可能性があります。

転職エージェントは、企業と人材(求職者)を繋げて、その人材を定着させることが重要なので、すぐ辞める人ばかりを紹介するわけにはいきません。

もちろん1年以内に退職するのは今回が初めてということであれば特に問題はありませんし、何度も転職しては短期間で退職するというのを繰り返さなければ大丈夫です。

企業によっては良くない印象を持たれる




転職後1年未満で退職するデメリットとしては、企業によって良くない印象を持たれるという点もあげられます。

基本的に企業の多くは、その会社で長く働いてくれる人材を求めいるため、短期退職の経験があると「採用してもすぐ辞めるかも」とマイナスイメージを持たれてしまうのです。

企業側が採用にかけるコストや時間はかなり膨大なので、やはり定着してもらえるかどうかというのは採用するうえで一つの基準になります。

ただし、たとえ短期退職をしていても面接で意気込みややる気、将来設計などをきちんと伝えれば、良い印象を与えることもできるでしょう。

ミスマッチを防ぐために原因と対策を知る




1年以内の転職は決して珍しいものではありませんが、転職活動にかかる労力などを考えるとできれば避けたいところです。というより、そもそも自分に合った仕事に就くことができれば、1年以内の転職を考える必要もありません。

短期退職するのは、就職・転職活動の段階で準備不足だったことが原因で、企業側とのミスマッチを起こしていると考えられます。

ここからは、具体的にミスマッチが生じる原因と対策についてみていきましょう。

ミスマッチが生じる原因と対策方法




入社後に仕事内容や会社の雰囲気が合わなかったなどのミスマッチが生じる原因としては、以下のようなことがあげられます。

転職活動における自己分析が足りなかった
業界や職種などに関する情報収集が不十分だった
企業側が求めるレベルに達していなかった
転職活動において、非常に重要となるのが自己分析や情報収集です。
自分の得意・不得意を把握することはもちろん、長所・短所や仕事観などをしっかりと分析する必要があります。

また自分が今所有しているスキルや知識、そしてこれから必要になるもの、身につけたほうがよいものなどをしっかりと見極めて、うまくアピールしなければなりません。

そしてその自分に合った仕事に就くためにも、企業分析や情報収集が不足していることもミスマッチの原因です。
転職を考えている職種がどんな業界なのか、また気になっている企業がどんな社風なのかなど、しっかりと情報収集することでミスマッチの確率を下げることができます。

他にも、企業が求めるレベルに達していない場合もミスマッチに繋がるので、自分が保有するスキルや知識は正しく伝えるようにしましょう。
また足りない部分に関しては、入社までにしっかりと準備するという意思を伝えることも大切です。

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転職後1年以内に退職する人の割合は、およそ2割と言われています。年間の転職者数は、約300万人といわれているので約60万人が1年以内に転職している計算です。

このように1年以内に転職する人の数は、決して少ないものではありません。ただし短期間で転職を繰り返すのは、市場的にもマイナスイメージがつくので注意が必要です。

そもそも短期退職をするのは、企業とのミスマッチが理由としてあげられます。ミスマッチを防ぐためにも、しっかりとその原因を調べて対策していくことが大切です。しかし自分一人では、なかなか原因を見つけることが難しいですし、どのように対策していけばよいかわからないということもあるでしょう。

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